第2回伊福部昭音楽祭・第1部
3月16日に行われた《第2回伊福部昭音楽祭》に行ってきました。なけなしの全財産をはたいて遠い日本の東の果てまで行ったのにサロンコンサートで並んでたら締め出しを食らってしまったので、ショックで首をくくろうかと落ち込んでしまいましたが、ロビーで流れてた去年のビデオに励まされたので、何とかメインコンサートは聴けました。
演奏曲目は次の通りです。
【第1部】
01.『ピアノ組曲』
02.二十五絃箏甲乙奏合『ヨカナーンの首級を得て、乱れるサロメ』
03.『ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲』
第1楽章(音楽祭特別版)
【第2部】
04.室内オーケストラのための『土俗的三連画』
05.『Hommage to Akira Ifukube』(松村禎三)
06.交響詩『聖なる泉』
07.管弦楽の為の『コタンの口笛』
08.『ゴジラ』より(オリジナルスコアによる)
09.『大坂城物語』より
EC.『土俗的三連画』第1楽章(伊福部昭記念オーケストラ版)
EC.『怪獣大戦争マーチ』(アンサンブル版)
アンコール曲、終演後のロビーには『宇宙大戦争マーチ』って貼ってあったんだけど、こんな初歩的な間違いするのは、お茶目だったのでしょうか。
では、順番に感想とか印象とかを書き記しておきます。
【第1部】
第1部は器楽曲中心の構成。
01.『ピアノ組曲』
いうまでもなく、現存する伊福部先生の最初の作品で、管弦楽版『日本組曲』の原曲に当たる曲です。ピアノは木村かをりという人。
第1曲「盆踊」
やや激しい弾き方ですが、少し余計なキーを叩いているのか、若干、音に濁りを感じました。高音の旋律がメインで奏でられる辺りはなかなか良いのですが、低音が激しくなる辺りは苦しそうです。
ラストの激しいとことはちょっと指が付いて行ってない感じかな。
第2曲「七夕」
音は明瞭ですが、もう少し抑え気味の方が全体的に強弱のメリハリが出てくると思います。途中、左右の手をクロスさせて弾いていましたが、なかなか大変そうですね。司会の和田薫がピアノ曲と言っても管弦楽のような作りなので弾くのが難しいということを言っていましたが、この弾き方をみれば確かにそのようです。
全体的にもう少し寂しげな感じがする曲だと思ってたのですが。
第3曲「演伶」
激しい冒頭部ですが、管弦楽版に比べればやはりおとなしく感じてしまいます。朗々と語られるような感じの主題はなかなか良い感じです。緩急の付け方も上手く、後半、激しくエスカレートしてテンポアップしたところとかは見事な感じです。
弱く静かに終わっていく感じも上手いですね。
第4曲「佞武多」
冒頭がかなり重い感じ。管弦楽版はもう少し軽快に感じたんだけど、奏者の解釈によるものでしょうか。
中盤でテンポを落としたところで譜面をめくってましたが、そこで一瞬中断した感じになってるのはどうなんでしょうか。
力強く激しいピアノタッチが見事です。これでもかというくらいにエスカレートしていく演奏はたまりません。
02.二十五絃箏甲乙奏合『ヨカナーンの首級を得て、乱れるサロメ』
二十五絃箏:野坂操壽/低音二十五絃箏:小宮瑞代による母子演奏。野坂操壽というのは野坂恵子が二代目を襲名し、去年からすべての演奏活動をこの名前で行うようにしてるみたいです。
冒頭から『海底軍艦』等で聴き慣れたフレーズが琴で奏でられるという辺りに一種の新鮮さを感じてしまう始まりです。そして、終盤へ向けてのバラード風の展開になりますが、なかなか音を出すのに苦労してる感じが伺えます。
その後、『宇宙大戦争』や『キングコングの逆襲』でお馴染みのロマンスのモチーフが箏ならではの音色で奏でられるところは、さすがに滑らかです。中盤からスピードアップして盛り上がるところもなかなかです。
再度ロマンスのモチーフが入ってきますが、バラード的な雰囲気が良いです。
終末の激しいところはなかなか凄い演奏だったように思います。とくにラスト付近の速弾きが印象的です。
03.『ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲』
第1楽章(音楽祭特別版)
原曲は『ゴジラ』のタイトル曲のフレーズの初出として知られていますが、今回はオーケストラの代わりにピアノを使ったピアノリダクション版をベースに、藤田崇文のアレンジで打楽器をフィーチャーされた特別版です。演奏は、ヴァイオリン:萩原淑子/ピアノ:木村かをり/打楽器:藤田崇文。
豊かな音色のヴァイオリンに始まり、時々、ピアノとシンバルがアクセントをつけてる感じが続きます。徐々にピアノが入ってきて、淡々と静寂なリズムが繰り返されます。中盤、ピアノが激しく軽やかに奏でたフレーズをヴァイオリンが繰り返すところが印象的です。ピアノとヴァイオリンがシンクロして激しく奏でていくところでスネアやタムが加わって来ます。
ピアノがゴジラのフレーズを奏でた後、ヴァイオリンが激しく展開し、ピアノとパーカッションがシンクロしたリズムを奏でます。終盤近く、ティンパニーが低音を奏でてるのも印象的です。
全体的にはなんか中途半端な打楽器協奏曲みたいになってて、ピアノのリズムパートをパーカッションが半分くらい殺してしまってるような感じがしたのですが……
☆ ☆ ☆
第2部に続きます。
☆ ☆ ☆
例によってCDを張って置きます。
伊福部昭 室内楽作品集
『ピアノ組曲』で比較的最近に出てるもの。他に『ヴァイオリン・ソナタ』と『絃楽オーケストラのための「日本組曲」』を収録。
(発売元:ミッテンヴァルト)
七つのヴェールの踊り~バレエ・サロメに依る
『ヨカナーンの首級を得て、乱れるサロメ』を収録。
(発売元:カメラータ・トウキョウ)
楽 協奏風交響曲&協奏風狂詩曲~伊福部昭の芸術5
これはオーケストラ版。
(ピアノリダクション版はようやくミッテンヴァルトから発売されたみたいですね)
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