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2008.02.10

奏光のストレイン サウンドトラック

 『奏光のストレイン』は2006年の秋からWOWOWのノンスクランブル枠で放映されていた本格的な宇宙SFロボットアニメです。『ストラトス・フォー』のスタジオ・ファンタジアの作品ということで期待を抱いた作品でしたが、主人公の兄の叛逆から始まるシリアスな作品展開とはいえ、そのSFテイストは健在であり、SFロボットアニメであっても地球圏の重力に囚われた作品が多い昨今では、久々に恒星間レベルでの宇宙空間の存在を感じさせてくれる作品でした。(え、『ガラスの艦隊』? どこのファンタジー世界の作品ですか?)

 音楽の担当は酒井良。『封神演義』やってた人だなという記憶があるぐらいで、後は『妖しのセレス』ぐらいしか知りませんが、本作では極めて印象的な次回予告の音楽など、クリア感のある明瞭な劇伴が特徴的でした。
 ……と、過去形で書いてますが、昨今の大量アニメに追いつけず現在視聴中なわけですが、見てる時期が放送と違うと困るのがサントラ盤の入手ですね。どちらかというと実際の作品を見て気に入ったらゲットというタイプなので、気に入って買おうと思ったらもう店頭に見当たらないとかいう恐れが多々あります。もっとも、昨今はAmazonとかを使えば比較的過去の商品でも簡単に入手できるようになりましたが、それでも廃盤になったらお終いですね。
 幸い、このサントラ盤は現在でも店頭で見掛けることが出来ますが、現在放映中の作品なんか見れるのが何年先になるか……とか思ったら、とても心配になります。ま、目ぼしいだろうと思った作品のサントラは先物買いしてはいますが……

 では、『奏光のストレイン』のサントラ盤の収録曲です。

 01. Waltz for Strain(Music Box)
 02. メッセージ ~TV version~
 03. Glabella
 04. Higher and Higher
 05. Over the Stellar
 06. Threat
 07. Raider
 08. Attack
 09. Strain Battle
 10. Nostalgia
 11. Sympathy
 12. Deague
 13. Strategy
 14. TUMOR
 15. Interval
 16. Waltz for Strain(for Guitar)
 17. Warmer Hands
 18. optik
 19. Kitpo
 20. Doubt
 21. Solitude
 22. Standby
 23. Perception sharing
 24. The Conflict
 25. Crossing The Line
 26. The Decisive battle of Fate
 27. Waltz for Strain
 28. 海のオパール~TV version~
 29. アウローラ~ひとすじの曙

 いつものように印象に残った曲を中心に聴いていきましょう。

 「Waltz for Strain(Music Box)」はファンタジックなオルゴールの音色によるメインテーマのワルツバージョン。ゆっくりとしたテンポで、少し寂しく、せつない感じがします。
 こういうオルゴール曲が冒頭に置かれてると、これから昔話やおとぎ話が語られるというシチュエーションを暗示しているかのようです。物語が終わった後で振り返るように聴くためのサントラ盤とかいうことでしょうか。

 「Glabella」はゆっくりとした行進曲風のリズムの曲。やや重苦しい感じを漂わせ、悲痛な感じを静かに奏でながら、物語のプロローグを語る雰囲気の音楽です。グラベラというのは物語の発端の舞台となった惑星の名前なので、作品の基底として主人公セーラの決意などを感じさせる印象があります。
 「Over the Stellar」は華やかな出撃シーンを思わせる音楽。決意に燃えてるとか期待を受けてるとか、物語を盛り上げるシチュエーションのイメージです。ややスピーディーなリズムに、ストリングス系のさわやかなメロディーが魅力です。「星を越えて」ってことだから、亜空間航行中にも行動可能なストレインの活躍という感じの曲でしょうか。

 「Strain Battle」は軽快なリズムから始まるメインテーマ。ここではブラス中心で力強い8ビートのアクション系の曲として展開されます。主にセーラの活躍を描くようなシーンで使われる、主役らしいカッコイイ曲ですね。
 「Sympathy」はピアノを中心とした、ゆっくりとして悲しげな曲。ストリングスが切ない調べを奏でます。悲劇的なセーラの運命に、何故かありえないシンクロを見せるミミックのエミリー……具体的に心を通わせたり出来る存在ではありませんから、まさにシンパシーを通じた関係で、セーラは心の傷を癒してるような印象です。

 「Waltz for Strain(for Guitar)」はギターによるメインテーマのワルツバージョン。オルゴールに比べると軽快で情緒的な調べですが、やはり物悲しさや寂しさを感じる曲です。孤独なセーラの心情を歌った感じですね。
 「Warmer Hands」は日常の安らぎ系の曲。フルートとギターがメインで、まさに戦士の休息という感じのリラックス曲。歩兵科で苛めに遭ってた頃のセーラはとにかく悲惨だったから、機甲科に転籍してから仲間に温かく迎えられるようになってホッとします。それでも本人が打ち解けるまでには時間が掛かるのですが……

 「optik」はコミカル系の日常音楽。コミカルなフレーズにリズムを交えたベル系の音色が反発してる感じですが、後者の際立ったアクセントが印象的です。どちらかというとセーラにライバル意識を持って何かと張り合ってるロッティを思い浮かべる曲ですね。
 「Doubt」「Solitude」は作品中でも印象に残る2大鬱曲。前者はストリングスがメインの悲痛な曲で、突然の兄の裏切りに疑念を抱き、その理由を知ろうと追い続けるセーラの悲しみと苦悩を表した音楽。
 後者はとてもスローテンポで、深い悲しみを感じさせるストリングス系のソロ曲。その理由ゆえに正体を隠し、歩兵科の同期からは苛められっぱなしのセーラの孤独感を表しています。セーラの心の奥の悲しみとか、絶望感を感じさせます。

 「Standby」は堂々とした出撃シーンの音楽。ブラスとドラムスが響く力強い曲で、いよいよ決意を込めた最終決戦って感じで盛り上げてくれる印象ですが……
 「The Conflict」は重厚でスリリングなサスペンス系で、やや速いテンポの戦闘音楽。まさに兄ラルフとの対決シーンって感じで、クライマックスの盛り上がりを感じさせてくれる曲です。でも、最高に盛り上がったところで「次回に続く」なんて予感を感じたりするのは、心が捻くれてるのかなぁ。

 「Crossing The Line」はやや軽快でハイテンポ、テクノっぽいベースやリズムが印象的な曲。ストリングスの爽快な旋律が、セーラの活躍を感じさせてくれます。タイトルからすると、ようやくセーラが兄のラルフに追いついたというあたりの音楽なのでしょうか。
 「The Decisive battle of Fate」はスリリングで重厚な盛り上がりのクライマックスの音楽。分厚いブラスによる、まさに堂々としたラストバトルという感じです。

 「Waltz for Strain」はマイナー系の寂しげなメインテーマのワルツバージョン。ストリングス中心の室内楽スタイルの演奏で、まさに舞踏会のワルツって感じなのですが、こんなマイナー系のワルツ、実際の舞踏会に掛かったりはしませんね。
 メヌエット風のおとなしめの演奏と、ブラスやパーカッションが加わった分厚く堂々とした激しめの演奏が交互に繰り返されます。どこか大河ドラマのエンディング風のイメージですね。

     ☆ ☆ ☆

 このサントラでは何パターンかメインテーマのワルツバージョンが収録されているのが印象的ですが、これは『奏光のストレイン』という作品そのものを一種の登場人物たちが織り成す踊りのような感覚で音楽が作られているということかも知れません。
 かつて『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』に「20世紀の白鳥の湖」というキャッチフレーズが使われてたり、『銀河英雄伝説』での印象的な「ボレロ」など、アニメのスペースオペラは舞踊曲との相性が良いということもありますし。

(発売元:ハピネット HMCH-2007 2007.01.24)

奏光のストレイン サウンドトラック
奏光のストレイン サウンドトラック

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