« I've/SHORT CIRCUIT II | トップページ | らき☆すた エンディングテーマ集~ある日のカラオケボックス~ »

2007.09.09

宮川彬良&大阪市音楽団/組曲「宇宙戦艦ヤマト」

 9月1日にザ・シンフォニーホールで行われた《炸裂ライヴ! 宮川彬良&大阪市音楽団》のコンサートに行って来ました。
 以前に「宮川彬良&大阪市音楽団」のアルバムについて書いた時にネットで検索してたらたまたまコンサートの情報を見付けたものですが、その後に『題名のない音楽会21』で放送されたこともあってか、なかなか盛況だったようです。

 演奏内容は次の通りです。


【第1部】
 01. Fun,Fun,Fantastico!
 02. 竹内まりや・メドレー
    「不思議なピーチパイ」「駅」「恋の嵐」
 03. ジュ・トゥ・ヴ
 04. 私のお気に入り
 05. ゲバゲバ90分

【第2部】
《アキラさんとまことくんコーナー》
 06. ニュー・シネマ・パラダイス
 07. サッちゃん
 08. あんたがたどこさ

 09. 組曲「宇宙戦艦ヤマト」
    「序曲」「宇宙戦艦ヤマト」
    「イスカンダル」
    「出撃」「大いなる愛」
 10. ブラック・ジャック
    第1楽章「血と、汗と、涙と…」
    第2楽章「命」
    第3楽章「生きて生きて息る」
 11. マツケンサンバII

 EC. YARAMAIKA行進曲


 見てもお分かりの通り、アルバム収録曲がメインに、宮川彬良と平原まことによる定番ネタと、どちらかというとあまり新鮮味が無いというか御馴染み過ぎというような印象ですが、順番に書いていきます。


 「Fun,Fun,Fantastico!」は中央学院大学創立40周年記念式典のために作曲されたという宮川彬良のオリジナル曲。
 ブラス全開で始まる派手な曲です。エンターテインメント・ショーの始まりを告げるような華やかさです。昔はこういう音楽で華々しく始まる娯楽番組がいくつかあったものですが、今じゃちょっと見当たらない、そんな少し懐かしさも受けますが、この辺はさすがに宮川泰の血を素直に受け継いでる感じですね。
 今後、この手のコンサートのオープニングに使いたいとか言ってたので、聴く機会は増えるでしょう。

 『竹内まりや・メドレー』はジャズのビッグバンド風のアレンジ。華々しいブラスのサウンドから始まり、まずは「不思議なピーチパイ」のメロディをサックスが奏でます。途中の曲調が変わる部分のアレンジがなかなか格別です。
 続く「駅」はバラード風に少しアダルトなタッチで、ホルンとトロンボーンの響きが印象的。最後の「恋の嵐」は途中で入るサックスのソロがなかなか。

 「ジュ・トゥ・ヴ」は最近著作権が切れたって話ですが、サティの没年は1925年で、それに70年+第二次世界大戦の戦時加算(約10年)というところですか。
 この曲のフレーズがカーペンターズ等も歌ってるバート・バカラック作曲の「Close to You」に似てるからって、「Close to You」風のアレンジにしてしまってるのがなんだかなーって感じ。
 いやに聴き慣れたような、少し違うかなというフレーズで始まり、全体的にややマイナー調の穏やかでゆったりした展開。後半になってブラス全開で華々しく盛り上がり、最後はゆったり優雅な終わり方。
 途中、いきなりパチンという音がしてびっくりしたのですが、2枚の板を挟んで鳴らすような見慣れない楽器……音楽の世界ではこれを「鞭」と呼ぶらしいですね。

 「私のお気に入り」は映画『サウンド・オブ・ミュージック』の人気曲ですが、阪神大震災発生当時に三宮にいたという宮川彬良が、どうにか避難先を確保しながら比較的時間を掛けてアレンジしたという話です。これの吹奏楽スコアはけっこう多く演奏されてるということですが、名曲の割にはスコアが無かったところに渡に船で出て来たってところでしょうね。
 木管と鉄琴によるコミカルなフレーズで始まり、ムード音楽風にアレンジされたブラスが続きます。そして華々しくスイング・ジャズ風の展開。
 中間部ではテンポが速くなったり遅くなったり。サックスのフレーズとチャイムによるアクセントが印象的。サックスのソロを中心にゆっくりと音が沈み込んでいく感じになり、そしてスイング・ジャズ風の派手なサウンドが復活。クライマックスはチャイムが派手に鳴り響きます。

 「ゲバゲバ90分」は「音楽団が立った」ということで衝撃的だったという『題名のない音楽会21』での演奏を再現とのことです。
 冒頭からシンバルが派手に響きます。立ったり、横向いたり、互い違いになったり、回ったり、足踏みしたり……吹奏楽団の元はマーチングバンドとはいえ、普段から室内演奏メインの人たちには大変そうです。
 途中でメロディーを奏でる木琴や、出番の少ないマラカスが印象的です。最後にくすだまが割れて「宮川彬良&大阪市音楽Dahhhhn!!」の垂れ幕が……


 第2部の最初は宮川彬良のピアノと平原まことのサックスによるお馴染みのコーナー。まさか吹奏楽のコンサートでもこれをやるとは思いませんでした。

 「ニュー・シネマ・パラダイス」はこのコンビでの定番曲。定番ではあってもネタではなく、平原まことのサックスの生える真面目な演奏です。
 しっとりとした曲。ノスタルジックなサックスに、流れるような伴奏のピアノ。サックスのフレーズが終わるとピアノソロの独壇場で、なんかピアノの方が疲れそうです。平原まことはサックスを3本持って登場したけど、この曲はソプラノかな。
 全体的にサックスが基本の旋律を歌い上げてる一方で、ピアノが大きく展開していってるという感じ。さすがに息の合った演奏です。

 「サッちゃん」「あんたがたどこさ」はお馴染みの定番ネタ。今回は「サッちゃん」があっさり終わったのに対し、「あんたがたどこさ」の方はいつにも増して徹底的。このホールがステージが低いから、そのまま客席にまで出向いていってサックスを吹きまくっていました。
 間奏だけが普通のライブらしい演奏なのがかえってお笑いですね。

 『組曲「宇宙戦艦ヤマト」』は、途中に「イスカンダル」を組み込んだ特別版……というか、平原まことがいる時点でサックスをメインにフィーチャーした特別版って感じですが。
 『題名のない音楽会21』では「宇宙戦艦ヤマト」の部分しか流れていませんが、あれが本来の吹奏楽版の演奏で、普通にトランペットやホルンが主体。ところが、「宮川彬良&大阪市音楽団」のアルバムや今回のコンサートでは平原まことのサックスをメインにおいているので印象がかなり違います。

 「序曲」はサックスのソロに木管や鉄琴の伴奏で始まり、やがて木管やホルンが旋律に加わり、そして最終的にブラスが揃います。オーケストラよりブラスの音がストレートに流れるので、けっこう大き過ぎる印象です。終盤近くの盛り上がりはとくに絶大で、もうちょっと抑え気味の方が良いかも。
 例によってぶち切るように「序曲」が終わり、続けざまに「宇宙戦艦ヤマト」が始まります。やはり平原まことのサックスがトロンボーンと交互に旋律を奏でるので、オリジナルの吹奏楽版のトランペットメインの演奏とは雰囲気が違います。
 リピートは「宇宙の彼方…」の部分からの1.5コーラスバージョン。「宇宙戦艦ヤマト」の演奏は昔から1コーラスのみ、2コーラスフルの他にこの1.5コーラス版と「銀河を離れ…」からのサビのみリピートのバージョン等、時と場所によって様々なので、あんまり気にしてはいけません。

 ここで、吹奏楽の演奏はいったん終わって、平原まことのサックスと宮川彬良のピアノによる「イスカンダル」です。本来は前のコーナーの予定曲だったのですが、急遽、こっちに組み込んだようです。宮川彬良が指揮からピアノ演奏に移ることもあるので、曲間が完全に開いてしまってるのですが、そうなるとここで拍手が入ってしまうので嫌な感じです。元のオーケストラ版の演奏でもボーカルの歌手が入ったりすると、演奏の最中でも歌手の登場時に拍手が入ってくるので、それよりマシとはいえ、演奏が止まってはいても曲の途中での拍手はやめて欲しいものです。
 サックスとピアノによる「イスカンダル」は、いわば『アコースティックヤマト』のイメージですが、いきなりこんな演奏を割り込ませたりしたら、曲がしっとりとし過ぎていて、『組曲』としてのテンションを下げてしまってるきらいがあります。

 再び曲間に拍手があってから吹奏楽による「出撃」です。本来『組曲「宇宙戦艦ヤマト」』におけるこの曲の位置付けは繋ぎのようなものなので、ここから演奏を再開というのは大いに違和感を感じます。
 吹奏楽によるブラックタイガーの戦闘音楽はとにかく派手。伊福部マーチではないけどオーケストラよりも吹奏楽の方が映えます。クライマックスでのドラムスの熱演もなかなかです。
 そのまま「大いなる愛」に続きます。第1主題はまず木管から始まり、サックスに移っていきます。途中からトライアングルやリズムボックスの音が入ってきて徐々に盛り上がっていきます。引き続きサックスが第2主題を奏で始め、そのままブラス全体で盛り上がってクライマックスを迎え、ヤマトのモチーフを使ったコーダ部で締めくくられます。

 やはり「イスカンダル」の割り込みが全体のバランスを崩してる印象は拭えませんね。組み込むんならむしろ1番先頭に持ってくるか、それとも「出撃」「大いなる愛」の間に挟み込むかという感じがします。その際、「大いなる愛」は指揮者無しになるかもしれないけど、ピアノをフィーチャーしたアレンジの演奏なんかで、曲間を開けずに続けたらベストかな。
 平原まことと宮川彬良による「イスカンダル」の演奏も、吹奏楽によるその他の曲の演奏もどちらも素晴らしいだけに、組み合わせによって魅力半減とまでは言わないけど、違和感を覚えてしまうというのは残念です。

 『ブラック・ジャック』は宮川彬良自身が「命の交響曲」と呼ぶ3楽章構成のシンフォニー。本来は少人数編成のバンド演奏のための曲ですが、それを大編成の吹奏楽用にしたのが大阪市音楽団のバージョン。アルバムには第1楽章しかなく、大阪市音楽団が全曲演奏するのは今回が初めてとのこと。
 手塚マンガの中で『ブラック・ジャック』だけは音楽が思い浮かばないから自分で作ってみたという作曲者ですが、作曲当時はテレビアニメ版は存在してなかったのは確かですが、出崎統版のOVAシリーズとかは知らなかったのでしょうか。ま、『鉄腕アトム』とか『ジャングル大帝』等のテレビアニメで人気を博した作品に比べるとマイナーなのは確かですが。

 第1楽章「血と、汗と、涙と…」はオーソドックスなソナタ形式の楽章。華々しい序奏から始まります。
 提示部は起伏が大きく、強弱の入り混じった状態で主題が奏でられます。展開部ではティンパニーの目立つ盛り上がりの後、静まってハープや鉄琴の音が映えるバラード調に移っていきます。
 再現部では再び華々しく主題が盛り上がりを見せますが、とくにシンバルが派手な印象ですね。

 第2楽章「命」はマイナー調の緩徐楽章。フルートとハープのフレーズで始まり、続いてクラリネットがメインで展開していきます。
 やがて木管全体で盛り上がっていき、ゆっくりとしたテンポはそのままに、最後はブラス全体が加わって大きく盛り上がって生きます。テンポは緩やかだけど、ティンパニーやパーカッション類が少し派手ですね。
 最後はゆっくりとフェードアウトするように終わっていきます。木管のフレーズの後、ハープのアルペジオが余韻を奏でます。

 第3楽章「生きて生きて息る」は華々しい終楽章。木管と、ホルン・チューバ等の低音のブラスが重々しく始まります。
 サックスが奏でるのは第1楽章の第1主題にどこか似たフレーズ。そして断続的なブラスをバックに、パーカッションが派手に展開していきます。やがてサックスがバラード風のフレーズを奏でていきます。
 冒頭の低音フレーズを繰り返し、パーカッションが展開。そして第1楽章の第1主題にどこか似たフレーズが展開され、大きく盛り上がっていきます。

 とりあえず一言いいたいのは、楽章毎に拍手するなということかな。

 「マツケンサンバII」も、平原まことのサックスをメインにフィーチャーされた演奏。ここまで来るとサックスがすべての曲のように思えてきます。
 リズムの派手な曲なのでパーカッションが大変そうです。間奏のパフォーマンス、ロックならギター、ジャズならサックスやトランペットというところですが、ここではフルート3人でやってたのが印象的。
 それにしても今さらながらド派手な曲ですね。

 アンコールの「YARAMAIKA行進曲」は浜松市市制施行95周年のために作られた曲とのことですが、「ゲバゲバ90分」を髣髴させるような派手なスポーツ風マーチです。

     ☆ ☆ ☆

 何はともあれ、ヤマトの音楽が聴けるというのは嬉しいですし、『ブラック・ジャック』を全曲聴けたのも良かったです。
 今回と同じ内容のコンサートは来年1月に滋賀県の守山市民ホールで行われるみたいなので、興味ある人は聴きに行って下さい。


以前に取り上げましたが、宮川彬良&大阪市音楽団のアルバム
ブラスバンド・バラエティ 宮川彬良&大阪市音楽団 痛快ライヴ!マツケンサンバII!!
ブラスバンド・バラエティ 宮川彬良&大阪市音楽団 痛快ライヴ!マツケンサンバII!!


宮川彬良(&平原まこと)関係で新譜がでるようですので、ついでに
アキラさんとまこと君 ふたりのオーケストラ
アキラさんとまこと君 ふたりのオーケストラ

アキラさんの大発見オーケストラ!!
アキラさんの大発見オーケストラ!!

|

« I've/SHORT CIRCUIT II | トップページ | らき☆すた エンディングテーマ集~ある日のカラオケボックス~ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3819/16390218

この記事へのトラックバック一覧です: 宮川彬良&大阪市音楽団/組曲「宇宙戦艦ヤマト」:

« I've/SHORT CIRCUIT II | トップページ | らき☆すた エンディングテーマ集~ある日のカラオケボックス~ »