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2007.09.01

I've/SHORT CIRCUIT II

【要注意】  この記事には良い子はしてはいけないゲームの音楽について触れてる部分があります。けっして良い子が読んではいけない表現があるわけではありませんが、ゲームのタイトルその他に不快を感じる場合、あるいは過度に劣情を催す場合があるかもしれませんので、良い子の皆さんはお父さんお母さんと相談の上で読んでください。

 あすかはそんなにゲームの世界に詳しい人じゃないので、「I've」という名前を初めて知ったのはアニメ『おねがい☆ティーチャー』でI'veの音楽が使われた時でした。その後、東映版『Kanon』の最終回で使われた「Last regrets」と「風の辿り着く場所」が収録されてるCDが無いかと探し出したのが『regrets』で、このアルバムを聴いて以来、I'veというアーチスト集団を意識するようになりました。
 主にアダルト系のPCゲーム音楽への楽曲提供で知られていたI'veですが、それらの曲から主にボーカル曲をセレクトして出されてきたのが『regrets』を始めとするGIRLS COMPILATIONシリーズのアルバムです。こちらはI'veの表の顔とでも言うべき代表曲を並べて来ている感じですが、その一方でI'veにはもう1つの顔があって、そっちの曲を集めたのがコンセプトアルバムと名付けられた『SHORT CIRCUIT』のシリーズです。

 そのもう1つの顔というのは、いわゆる電波ソングの系統です。一口に電波ソングと言っても様々な種類があります。例えば話題になった『涼宮ハルヒの憂鬱』で使われた「恋のミクル伝説」なんかでは曲の作りが変だとかボーカルがおもいっきし外してるとか、わざと下手糞に作ったところを売りにしてあります。しかし、I'veの電波ソングはそんな変な曲や外したボーカルというわけではなく、技術的には他の曲と同じくきちんと作ってあるにも関わらず、歌詞の内容が(変ではないけど)突飛だとか、ハードな曲と歌詞の内容がミスマッチだとか、曲の合間に入るセリフとか合いの手だか掛け声だかが妙に頻繁な上にあっちの方に逝っちゃってるところに味があるものになっています。

 今回の『SHORT CIRCUIT II』はその2枚目ということになります。アルバムの発売記念イベントでKOTOKOが電波ソングとは何かと訊かれて、その要素の3つ目に「キュンキュン」を挙げていましたが、それがI'veの電波ソングの特徴を一番に言い表してるような気がします。
 では、収録曲です。


 01. ねぇ、…しようよっ!
 02. ↑青春ロケット↑
 03. Princess Bride!
 04. ナイショ☆Naiしょ
 05. 新しい恋のかたち~SHORT CIRCUIT II EDIT~
 06. Mighty Heart~ある日のケンカ、いつもの恋心~
 07. はじめまして、恋。
 08. 乙女心+√ネコミミ=∞
 09. きゅるるんKissでジャンボ♪♪
 10. アナタだけのAngel☆
 11. Princess Brave!
 12. I'm home
 13. めぃぷるシロップ
 14. Double HarmoniZe Shock!!


 数曲は明らかに傾向の違う曲が入ってますが、後は電波ソングのオンパレードです。
 では、順番に聴いていきましょう。


 「ねぇ、…しようよっ!」はPCゲーム『姉、ちゃんとしようよっ!2』の主題歌。どんなゲームかはタイトルが全てを語ってますが、良い子は知らなくてかまいません。ボーカルはKOTOKO。日曜の朝(というか土曜の深夜34時)にやってる『ハヤテのごとく!』のOP曲を歌ってる人ですが、全然雰囲気が違いますね。
 いきなり超弩級の電波ソングって感じです。歌詞の内容はともかく、KOTOKOの軽快なボーカルが魅力的で、妙に日本語が自然なラップ部分が印象的な曲です。I'veの電波ソングの見本みたいに合いの手のセリフがふんだんで、まさにキュンキュンって感じに仕上がっています。
 歌詞はブラコンのお姉ちゃんが弟にモーション掛けてるって内容ですが、曲間に入るKOTOKOのセリフが絶妙で、こんなお姉ちゃんほしいななんて思ってしまいます。ま、イメージ的な曲だからゲームそのものの内容とは関係無いでしょうし、露骨な表現とかあるわけではないですから、ネタ的な電波ソングとしてはセンスも良く完成されたものだと思います。ま、お薦めの1曲ですね。

 「↑青春ロケット↑」はPCゲーム『すぺーす☆とらぶる』の主題歌。タイトルからは宇宙関係の物語かと思われますが、よくわかりません。
 ノリノリのハイテンションソングという感じの曲ですね。基本的にはすっきり突き抜ける感じの爽快な曲なんですが、やたら甘い印象を受ける歌詞や、曲全体があっちの方向に飛んでいっちゃってる感じが十分に電波っぽさを発揮してる感じです。
 ボーカルはKOTOKOらしさが出てる良い曲ですね。

 「Princess Bride!」はPCゲーム『Princess Bride』の主題歌。お姫様が花嫁なのか、お姫様みたいな花嫁なのかで意味が全然違いますが、どっちなんでしょう?
 曲は思いっきり電波っぽいテクノトランス。過度にスタッカートを掛けてるKOTOKOのボーカルが印象的ですね。まみビブラートほどではないにしても、曲の後半でふんだんにビブラートが掛かってるのも特徴です。

 「ナイショ☆Naiしょ」PCゲーム『ないしょのティンティンたいむ』の主題歌。なんか『金色のガッシュ!!』でファウードの中にいた魔物の名前みたいなタイトルのゲームですが、さて。
 ボーカルは詩月カオリ。曲そのものや歌詞は普通のアイドルソングっぽいノリなんだけど、「ドキドキ」「ビンビン」などの合いの手が、思いっきりデコレーションされてるところが電波ソングたる所以ですね。ここまでくれば一種の芸術って感じです。
 曲中でテンポが変わってる部分の電波ソングっぽくない部分がかえって新鮮に感じられます。

 「新しい恋のかたち~SHORT CIRCUIT II EDIT~」はPCゲーム『Ribbon2』の主題歌。原曲のボーカルはAKIだったのを、KOTOKOがリメークした曲です。
 サビのバラードから始まる、いやに普通っぽい曲です。過度のリズムとエフェクト掛かったコーラスが電波っぽいといえばそうかもしれませんが。ある意味でKOTOKOらしいボーカルが聴ける曲です。

 「Mighty Heart~ある日のケンカ、いつもの恋心~」はPCゲーム『つよきす』の主題歌。『つよきす』は『つよきす Cool×Sweet』としてテレビアニメ化されていますが、主人公がPS2版の追加ヒロインだったりして、アニメ化というよりは『つよきす』のキャラを使った派生作品みたい(最終回でそれらしいオチ有り)でしたので、ゲームの内容はよくわかりません。
 歌詞の内容は、彼氏と喧嘩した女の子の歌。自分の勝ちを信じて疑わない彼氏に、最後に粘り勝ちするまでの一部始終を歌った曲です。80年台頃なら原由子なり谷川浩子辺りが歌っててそうなニューミュージック系のコミックソングって感じですが、合間のKOTOKOのセリフがやはり電波なノリですね。
 やはりゲームの内容とは関係ないんだろうけど、強気で喧嘩を楽しんでる感じが面白いかな。これもお薦めの1曲ですね。

 「はじめまして、恋。」はPCゲーム『淫妹BABY』の主題歌。なんかタイトルからして良い子禁止って感じですね。
 曲はハートフルで、キュンキュン度120%って感じです。歌詞がなかなか良いから、じっくり歌い上げる感じの曲に仕上げたらけっこう名曲になりそうなのですが、思いっきりパカパカしてるテクノトランスのアレンジが、曲そのものとのアンマッチング感を出してるのが電波っぽいところです。

 「乙女心+√ネコミミ=∞」はPCゲーム『王立ネコミミ学園~あなたのための発情期♪~』の主題歌。猫の発情期と違ってネコミミの発情期はやっぱり良い子は見てはいけない世界なんでしょうね。
 タイトル自体がすでに電波ソングを宣言しています。ボーカルはKOTOKOと、『ひぐらしのなく頃に』のOP曲を歌ってる島みやえい子。歌詞もタイトルを引き継いで電波っぽい感じですが、現在から見ればそんなに変ではありませんね。曲も意外と普通で、変な合いの手も入りません。
 ちょっとしっとりとしたイメージで、ネコミミ云々を除けば普通のラブソングとして通用しそうです。

 「きゅるるんKissでジャンボ♪♪」はPCゲーム『カラフルハート ~12コのきゅるるん♪~』の主題歌。これの前作がI'veの電波ソングを一躍世間に広めた「さくらんぼキッス」を主題歌とする『カラフルキッス ~12コの胸キュン!~』だというらしいです。
 これも思いっきりKOTOKOの合いの手が入りまくりの電波ソング。キュンキュンしまくりです。歌自体は穏やかで優しい曲です。間奏部のセリフが切なくてたまりません。これも基本的には普通のラブソングっぽいんですがねぇ……

 「アナタだけのAngel☆」はPCゲーム『あねいも2 ~Second Stage~』の主題歌。内容はやはりタイトルが物語ってる通りなんでしょうか。
 ややテンポの速い、切ない系のラブソング。歌詞が80年代のアイドルソング風でベタに甘過ぎるのがアレですが、今の世の中だとそんなものが電波っぽく感じてしまうんですねぇ。(電波ソングの定義の1つとして時代錯誤な歌詞とか曲の表現とかもありますし)
 詩月カオリのボーカルがなかなか良いです。

 「Princess Brave!」はPCゲーム『Princess Brave 雀卓の騎士』の主題歌。
『Princess Bride』の続編みたいですが、なぜいきなり麻雀ゲームになってるのかよくわかりません。
 RPGをテーマにした歌詞で、夢の中の冒険譚って感じですが、まぁゲームそのものとは関係無いんでしょうね。前作に引き続き電波っぽいテクノトランスで、ノリだけは極上です。力強く勇気を与えてくれる感じの曲ではありますが、変に具体的なところが電波ですね。
 ま、冒険=恋と置き換えると、いかにもラブコメ風の恋愛ソングって感じかな。

 「I'm home」はこのアルバムのオリジナル曲かな? 別アレンジ版が詩月カオリのメジャーデビュー曲であるアニメ『ななついろ★ドロップス』OPテーマ「Shining stars bless☆」のC/Wに収録されています。
 しっとりとしたボーカルに、切ない歌詞。やたら派手なパーカッションがアンバランスですが、全体的に普通の曲っぽい雰囲気です。
「あなたを待ってるよ、帰っておいで」って感じの曲ですね。

 「めぃぷるシロップ」もこのアルバムのオリジナル曲かな? オリジナル曲にしては電波度が高すぎます。
 調味料と恋のレシピを掛けたような作り。小気味良いテンポで優しく温かい歌ですが、むしろ主役は合いの手やバックコーラスの方って気がします。そんな感じだから曲そのものはサビでも盛り上がらずに、さらっと流してる感じですね。
 1回聴けば電波ソング中の電波ソングであるということに異論のある人はいないでしょう。ある意味、このアルバムで一番の目玉曲です。
 どうでもいいけど、歌詞中の「溶かして」が「とかちて」に聴こえるのは空耳なんでしょうか?

 「Double HarmoniZe Shock!!」もこのアルバムのオリジナル曲。KOTOKOと詩月カオリのデュエットです。
 アルバムの最後にサービス曲って感じですが、このアルバムには不似合いなハードな曲です。なんか普通のI'veの曲ですね。歌の内容は、「2人の歌が世界に響き渡れ」って感じでしょうか。
 ま、電波ソングの連続で変にハイになったぐちゃぐちゃな脳味噌を、余韻に浸りながら現実に醒まさせる効用はありそうです。

     ☆ ☆ ☆

 知らない人から見れば(良い子はしてはいけない)怪しげなタイトルのゲームのテーマ曲が並んでることが気になるかも知れませんが、実際に曲を聴けばそのイメージとのギャップに拍子抜けすることは請け合いです。
 確かに一昔前のこのジャンルのテーマ曲とか電波ソングと称されたものは、歌そのものが良い子は聴いてはいけない範疇に引っ掛かるものだったり、楽曲としてのクオリティもそれなりだったりしたものですが、I'veやUNDER 17の活躍によってその状況が変わってきたのがここ数年ぐらいの状況ですか。昨今は深夜アニメの中に良い子はしてはいけないゲームを原作とするものも増えてきたこともあって、このジャンルのゲームのテーマ曲とアニメソングの垣根も無くなった感があります。
 何かと肩肘の張る現代社会。励まされる一方でも疲れるだけですし、癒されてばかりでは先に進みません。たまにはこういう電波ソングを聴き込んで、腐った脳味噌をシェイクしてリフレッシュしてみるのも良いかと思います。

(発売元:ビジュアルアーツ ICD-66014 2007.06.22)


 今回の1枚。音楽CDじゃなくPCソフトの扱いなので注意。(中身は普通の音楽CDとして聴けます)
SHORT CIRCUIT II(DVD付)
SHORT CIRCUIT II(DVD付)

 参考までに前作。
SHORT CIRCUIT
SHORT CIRCUIT


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受信: 2007.09.06 20:57

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