ARIA The NATURAL ORIGINAL SOUNDTRACK due
今回は『ARIA』のアニメ版第2シリーズ『ARIA The NATURAL』のサントラ盤です。第1シリーズ『ARIA The ANIMATION』の記事の参照数が『Fate/stay night』ほどではないけど割と多いみたいなので、気をよくして取り上げてみました。純粋に記事目的で参照される数では1番多いのかな?
アルバム名に付いてる「due」はイタリア語で「2」という数字。これは『NATURAL』の2枚目という意味じゃなくて、第1シリーズから数えて2枚目ということですね。
音楽は前シリーズに引き続き、Choro Club feat.Senooによるピアノと弦楽器がメインのラテン系音楽。穏やかで陽気なヒーリング感覚が味わえる音楽世界です。
それでは収録曲一覧。
01. ネオ・ヴェネツィアの水彩画
02. ユーフォリア-TVサイズ-
03. 夏の妖精
04. 運河はめぐる
05. サンタクロウスの空~Riverside Christmas Mix~
06. 入道雲の下で
07. アジサイの小径
08. 星まで続く想い
09. 子供の時間
10. おかしなふたり
11. いつか来た道
12. 篝火のノクターン
13. コッコロ-オルガンVer.-
14. アリアの憂鬱
15. 春一番
16. ケットシーの行進
17. Samba de AQUA
18. 遠い小舟
19. 落陽
20. 花冷え
21. 通り雨がやんだら
22. Second Season~出会い~
23. 夕凪
24. 夏待ち-TVサイズ-
25. AQUA-guitar solo-
収録曲が多いので、いつものように摘み食いです。例によって楽器の聞き分けはいい加減なのでご容赦を。
「ネオ・ヴェネツィアの水彩画」は、前作の「ゴンドラの夢」の漂うようなトレモロと、弾むようなギターの「AQUA」が組み合わされたようなアレンジの曲。ネオ・ヴェネツィアに再び春がやって来たって感じですが、前作の物語とは同じようで少し違う新しい物語の始まりというイメージですか。
「ユーフォリア」は牧野由依が歌うOP曲のTVサイズ。これはノーマルなバージョンですね。爽やかな風となって吹き抜けていくようなボーカルの魅力がたまりません。
この作品には固定のOPアニメーションというものが無く、本編の一部がそのままOPとして使われてるわけですが、ちゃんと作品に溶け込むようにマッチングしたまったく違和感の無い曲なのが良いですね。
「夏の妖精」は華麗なピアノのフレーズに続いて、少しトロピカルで弾むような感じの旋律をストリングスとギターが交互に奏でてる曲。まるでシエスタに誘われるような穏やかな夏の午後ってイメージですが、そんな日常の中をのどかにゴンドラを漂わせてる光景が思う浮かびます。
どちらかというとのんびりした雰囲気のあるこの曲は、灯里やアリシアのイメージって感じですね。
「運河はめぐる」は「夏の妖精」をアップテンポにしてギターとバンドリンが奏でてる感じの曲。昼下がりに事件が起こって何かを負い掛けてるって感じかな。どっちかというと灯里よりは藍華が漕いでるってイメージでしょうか。おもちゃのネジを巻くような感じのエフェクト音が耳に残る曲です。
「サンタクロウスの空~Riverside Christmas Mix~」は前作ではコーラスバージョンが収録されてた曲の、ギターとバンドリンによるインストバージョン。タイトルには「Riverside Christmas Mix」ってありますが、あからさまにクリスマスってイメージのコーラスバージョンと違って、こちらは1年中使えそうな感じの曲です。
ゆったりとしんみりとした感じの名曲です。イメージとしては夕暮れ時とか夜寝静まってから1人物思いにふけってるって感じかな。
「アジサイの小径」はピアノによる少し沈んだ感じのおとなしめのフレーズと、ギターの弾んで軽快なフレーズの2つの対照的な旋律が交互に繰り返されてる感じが印象的な曲。アジサイとは季節が違うはずだけど、宝探しで小径を探検しまわってるエピソードあたりで使われたのでしょうか。
「いつか来た道」はピアノによる出だしのフレーズの後、情緒的な美しいメロディーをギターが奏でる曲。灯里がアリシアから受け継いでるものは、かつてアリシアがグランマや他の先輩たちから受け継いで来たものだよって感じで昔を回顧してるようなイメージですね。
その手の話で一番印象的なものといえば、古くなったゴンドラさんとのお別れの話ですが、そのあたりで使われてた曲かな? 非常に『ARIA』らしい曲で、印象深いです。
「篝火のノクターン」はゆったりとしたマイナー系のピアノのフレーズに、ゆったりとしたチェロの旋律が続く曲。どこか懐かしく、それでいて物悲しい感じのある曲。別れの寂しさとか、胸に秘めた想いとか、そんなイメージの曲です。
「コッコロ-オルガンVer.-」はアテナの新しい舟歌として使われていた曲。確か初出はアリスが自分ルールで影だけ踏んで学校から帰ろうとしてた話だったかな?
前作の「バルカローレ」みたいにゴンドラの上で歌い上げる曲って感じじゃなくて、どっちかというと陽気でリズミカルな曲なので、あまり舟歌ってイメージがしません。劇中ではオルガン無しだったと思うけど、このオルガンが何か幼稚園のお遊戯の歌のようなイメージを感じさせてしまってるような気がして、微妙な感じです。
「アリアの憂鬱」はハーモニカによる少しコミカル系の曲。藍華とアリスが練習を休んでどこかに出掛けた灯里をこっそり追いかけていく話とか、そんな感じかな。それよりもアリシアの「あらあら、まあまあ」ってセリフが頭に響いてくる感じですが。
「春一番」は口笛だかホイッスルだかとギターによるコミカルな曲。かなりテンポが速くて、さくさくっと物語が進んでいく感じ。何か作品全体の雰囲気とは正反対っぽいですが……。暁とウッディが子供の頃にアリシアと晃に出会った話あたりで使われてたイメージでしょうか。
「ケットシーの行進」はウッドブロック風のパーカッションとストリングスの旋律による不思議な感じの曲。小刻みでテンポがいいけど、何とも名状しがたい独特な雰囲気の行進曲です。祭の夜にケットシーが猫たちを引き連れてネオ・ヴェネツィアの路地裏を徘徊してる、そんなイメージでしょうか。
「Samba de AQUA」はアップテンポのサンバ風にアレンジされた「AQUA」。軽快なギターと小刻みなリズムでノリの良い感じに仕上がっています。ただ、日本人的にはサンバというとどうしてもカーニバルのイメージだから、もうちょっとピッコロ系の鳴り物(サンバホイッスルってか)でも入った派手な感じじゃないと寂しい気がします。いや、本場のサンバは何もそんなに派手なものばかりじゃないんでしょうけど。
「遠い小舟」はゆったとした曲。ギターが1音ずつゆっくりと奏でているのが印象的です。しんみりとしたネオ・ヴェネツィアの夏の夜、水面に漂うゴンドラの上の夜光鈴の調べとか、そんな雰囲気かな。あるいは昼間に見える幻影とか……
「花冷え」はゆったりとしたバンドリンのアルペジオとピアノの伴奏から始まる曲。やがてギターが前作の「そして舟は行く」と同じメロディーをややマイナー気味に軽やかに奏で始めます。「そして舟は行く」ではピアノが奏でていましたが、こちらの方がずっと軽やかだけど、憂鬱気味ですね。季節の移ろい、時間の流れに物を思うってイメージの曲です。
「Second Season~出会い~」はピアノのせつなく美しい調べで始まる曲。そこにバイオリンのノスタルジックなフレーズが入ってきて、さらにギターとコントラバスが加わって重厚な旋律になります。
懐かしい人々との再会。忘れられない人との出会いの思い出。今はいない先人たちの思いを受け継ぐこと。物語の中で触れられるそんな様々な出会いの光景を語り継いでいく、そんなイメージがしてくる曲ですね。
「夏待ち」はシリーズ前半のED曲。OPと同様、ノーマルなTVサイズで収録されています。
「AQUA-guitar solo-」はギターソロによる「AQUA」。ギターソロと言ってもいわゆるバラード風の曲ではなく、かなりリズミカルなテンポで弾かれてる感じだから、「Samba de AQUA」と比べてあまりイメージが変わらないって感じ。
「AQUA」っていろんなバリエーションで出てきてて印象的な曲だけど、スキャットバージョンに付いてた「ARIA」の作品タイトルならともかく、どうして「AQUA」ってタイトルにんってるんだろうと思ったら、原作の大元のタイトルが『AQUA』だったって話だからみたいですね。そういう意味じゃ、このタイトルもテラフォーミングで水にあふれた火星って意味じゃなく、作品のメインテーマって感じなのでしょうか。
☆ ☆ ☆
もうちょっと前作の曲のアレンジが多いかと思ったけど、意外と真面目に新曲を揃えてきてるって感じで驚きました。そういう印象を受けるのは、「AQUA」が何度も出てくるからなんですが。
もっとも、前作の他の曲も「AQUA」に負けず劣らず印象に残る旋律が多いから、それをもうちょっといろんな展開で聞きたかったって感じがします。逆に言えば、今回の曲は前作と比べると淡白な感じのイメージが多くて印象に残りにくいって感じがしないでもありません。良く言えば、自己主張の大きい曲が減って、作品に溶け込むような曲が増えたってところなんでしょうか。
とはいえ、独特の『ARIA』の音楽世界は健在で、新しくなった灯里のゴンドラとか、髪を切ってイメチェンした藍華のように、新しいネオ・ヴェネツィアの潮の香りを運んできてくれるアルバムには違いありません。
(発売元:ビクター VICL-61935 2006.05.24)
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