久石 譲 ジルベスターコンサート2006
大晦日にザ・シンフォニーホールで行われた《久石 譲 ジルベスターコンサート2006》に行って来ました。
久石譲と言えば宮崎アニメや北野武映画作品の音楽でよく知られる人ですが、自身ピアニストでもあり、また演奏活動等も多彩に行ってる人です。どちらかというと80年代頃の『風の谷のナウシカ』とか『天空の城ラピュタ』とか、あるいは映画『グリーンレクイエム』辺りはけっこう馴染みがあるのですが、最近の音楽はあまり聴いてなくて疎いのが正直なところです。
でも、そんな久石譲の音楽が関西フィルの手によって演奏されるので、聞き逃す手はありません。
演奏曲の一覧です。会場の出口に掲示してあったのを京ぽん2で撮って来たものですが、なにせ雑踏の中、あまりうまく撮れてなかったので書き写しに間違いがあるかもしれません。(S席で8000円も取るんなら、ぺら紙1枚でもいいからプログラムぐらい配布しろよと言いたいところです。クラシックのコンサートならプログラムは普通って気がしますが、このコンサートってポピュラー扱いだったみたい。そういえば、ポピュラー系のコンサートってプログラムはあっても別売、しかもちゃんと曲目が載ってる保障無しってものでしたね)
第1部
01. 水の旅人
02. For You (Theme)
03. NAUSICAA 2006
04. 組曲「もののけ姫」
05. 交響変奏曲「メリーゴーランド」
第2部
06. Musee imaginaire 空想美術館
07. Dawn of Asia
08. Hurly-Burly
09. Monkey Forest
10. Asian Crisis
11. HANA-BI
12. Tango X.T.C.
13. Kids Retern
アンコール
14. A Chinese Tall Story
15. Madness
16. となりのトトロ
17. あの夏へ
18. アシタカとサン
それでは、いつものごとく適当に。
第1部は久石譲が自ら指揮。ピアノのある曲は自分でピアノを弾いてるから掛け持ちで大変そうですが、あまりピアノのパートは多くない曲が多かったみたいですね。
「水の旅人」は確か大林宣彦監督の映画『水の旅人-侍Kids』の音楽でしたか。出だしから派手なブラスでメインのモチーフが奏でられ、それがストリングス主体の透き通る旋律に移ります。徐々に優雅に展開していき、盛り上って再び派手なメインモチーフ。後半は一転して低めでゆったりとしたストリングスの新しいメロディーに鉄琴の音が印象的に被さります。再び盛り上っていき、最後は太鼓やシンバルが鳴り響かせながら、オーケストラ全体でメインモチーフを奏でて締めくくり。
聞いたことの無い曲だけど、モチーフの作りは典型的な久石譲の曲って感じでした。
「For You (Theme)」は同じく『水の旅人-侍Kids』から。前曲と同じモチーフが少し顔を見せてますが、全体的には完全な別曲ですね。
夜明けを感じさせるようなストリングスとフルートの調べから始まって、全体的に緩やかでゆったりしたフレーズ。その中でチューバとホルンがずっと低音を吹き続けてるのが印象に残っています。
「NAUSICAA 2006」(ウムラウトは割愛しています)は『風の谷のナウシカ』から、サントラ盤のラストの「「鳥の人」~エンディング~」に相当する曲です。2006って付いてるってことはこのコンサートのためにアレンジし直したってことでしょうか。馴染みの深い曲が出てきてくれたのでホッとしました。
前2曲で鉄琴を弾いてた女性が太鼓の方に移動していったので何かと思ったら、ハンマーベルを叩き始めました。結局、ハンマーベルってこの曲でしか使ってなかったみたいだけど、けっこう特殊なんですかね。
中間の静かになったところでハープと久石譲のピアノ。ナウシカの音楽でもかなり印象的な部分を作曲者自身のピアノで聴けるというのは感動物です。全体的にサントラとほとんど同様の構成なんですが、ラストの締めくくりだけはコンサート用になってて、ちょっと違和感が。
「組曲「もののけ姫」」は文字通り『もののけ姫』の音楽を組曲にアレンジしたって感じですね。ま、『もののけ姫』も昔の作品ほど聴き込んではいないけど、映画は何度か見てるから、それなりには馴染みのある曲です。
太鼓とコントラバス&チェロの低音の弦のフレーズから始まってるのが、ちゃんとしたメロディーから始まる曲が多い中では印象的。そこにストリングスとかホルンとかトランペットが加わって次第に明確な聴きなれたメロディーが奏でられるようになっていきますが。
和太鼓が繰り返し鳴り響く辺りから重低音の激しい展開になってきますが、この和太鼓叩いてるのはまた鉄琴の女性。なんかいろいろ楽器やってる人ですね。
後半、静かなピアノのフレーズからティンパニーが絡んできて盛り上っていき、最後は主題歌のメロディーを久石譲のピアノと、コンサートマスターのバイオリンが交互に奏でながらオーケストラ全体が盛り上って終わり。
「交響変奏曲「メリーゴーランド」」って書いてあったんだけど、これは『ハウルの動く城』の 「人生のメリーゴーランド」をアレンジした曲って感じでしょうか?
低音でスリリングなストリングスの調べから始まり、ゆったりとした曲調からピアノが入り、やがてバイオリンのピチカート奏法のパート辺りからメロディーが小刻みに転々としていく展開で、やがて全体的にワルツ風の曲に。途中、スピーディーで勇壮なモチーフが繰り返し現れ、最後は優雅なワルツで終わってるという感じ。
第2部は休憩を挟み、指揮は別の人(事前の情報では金洪才)に代わり、久石譲は1曲休んだ後、ピアノに専念。
ま、第1部は宮崎アニメの曲とかが中心で割と親しみやすかったけど、第2部はオリジナル曲とか北野武作品の音楽とかでほとんど馴染みが無い世界ですね。面白いのは第1部では使われてなかったけど第2部になって木琴を使う曲が何曲かあったんだけど、この木琴を弾いてるのがまたも鉄琴の女性。ま、鉄琴と木琴ならほとんど同じようなものといえばそうだけど、この人、いったい何種類の楽器受け持ってるんだ?
「Dawn of Asia」から「Asian Crisis」までは秋に出た、アジアをコンセプトにしたアルバム『Asian X.T.C.』からの曲ですが、とくに「Hurly-Burly」のポップで和風な音楽は印象的でした。木琴が軽やかにリズムを奏でる中、まるで祭囃子のようなフルートと、祭太鼓のようなティンパニーってのはなかなか聴き物ですねぇ。
こういう並びだと、逆に「HANA-BI」のような如何にもムードチックな映画音楽という方が逆に新鮮で、毛色が変わった感じに聴こえてきます。
「Tango X.T.C.」も出だしはそういう悲劇のドラマっぽい始まり方なんですが、途中からカスタネットの音とともにどんどんタンゴのリズムに入ってきて、全然雰囲気の違う曲になって来てるのが面白いですね。
アンコールでとくに印象に残ったのは「となりのトトロ」ですね。最初に静かにストリングスのフレーズから始まった辺りは、今日は子供連れも多いだろうからって、サービスがてら普通の演奏かと思ったんだけど、何かチューバ、ホルン、コントラバスって辺りが思いっきり重低音を奏で始め、この曲でそこまでやるかってくらいの厚みのある演奏。で、けっこういろいろと楽器の使い分けをしてて思わずうなってしまう見事さなんですね。
最後の1コーラスは久石譲のピアノがメインで、サビでオーケストラが全開って感じで終わってます。
「となりのトトロ」の後、指揮者もオーケストラもみんな引っ込んだのに久石譲だけ残ってるから、さてはと思ったら、案の定その後の2曲はピアノソロ。「あの夏へ」は『千と千尋の神隠し』、「アシタカとサン」は『もののけ姫』からと馴染みの深いところだし、絶好のサービスだった感じです。
☆ ☆ ☆
一年の終わりをこういうコンサートで過ごすのも良いものですね。それでは、皆さん、良いお年を……
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