BLOOD+ ORIGINAL SOUNDTRACK 1
毎日放送が『ウルトラマンコスモス』でウルトラマンに見切りをつけて『機動戦士ガンダムSEED』を始めたらいきなし視聴率が急増したとかいう土曜夕方6時のアニメ時間枠で現在放映中の『BLOOD+』。
題材的に暗い話が多そうだし、元になる原作も無いのに1年間も付いていけるのかと思ってたら、フランスで小夜やディーヴァの謎がだんだん明かされて来た辺りからは面白くなって来たかなって感じです。
この作品の音楽担当はMark Mancinaとかいうハリウッド映画の音楽を手掛けている人らしいですが、あまりよく知りません。サントラを聴いた感じでは華やかなブラスがメインのアメリカンスタイルなオーケストラサウンドといったところでしょうか。
収録曲は以下の通り。
01. Saya’s Victory
02. Chasing The Enemy
03. Saya-Nara
04. Being Chased
05. BLOOD+ Countdown
06. Saya’s Daily Life
07. Vampire Battle
08. Chasing Thru Time
09. Saya’s Destiny
10. Saya’s Courage
11. The Vampires’Threat
12. BLOOD+ The Final Battle
13. Saya’s Love
14. BLOOD+ Grand Theme
15. Diva
「Saya’s Victory」はこの作品のメインテーマというべき小夜のモチーフを主体にした曲。次回予告や、戦いの場に小夜が現れたシーンなどに使われていて馴染みの深い曲です。
前半は壮麗でカッコイイ小夜のテーマがブラス主体のオーケストラで奏でられ、中盤はゆるやかなボレロ風。後半はより雄大なイメージを奏でて締めくくられます。実際の劇伴に比べるとブラスに厚みがあって華々しさが強調されてる感じですが、どちらかというと少し地味目の劇伴の方が日本人の好みには合ってそうな……
「Chasing The Enemy」はスピーディーなパーカッションとじわじわと盛り上がるストリングスにアクセント的にブラスが絡んでくるスリリングな曲。
「Saya-Nara」はチェロのゆるやかな小夜のモチーフに始まり、スリリングにオーケストラが盛り上がっていく曲。小夜に迫ってくる危機って感じですが、イメージ的には冒頭の沖縄での夜の学校で翼手に追い詰められていく雰囲気ですか。
後半は小夜のモチーフをストリングスが次第に力強く盛り上げていき、それと絡んでくるスリリングで無機質なオーケストラと対峙してる感じです。
「Being Chased」はスリリングなマイナー系の曲で、敵に追われて逃げてるって感じの曲。ストリングスのじわじわしてる感じに緊迫感をかもす木管、さらにブラスが不安を誘ってるって感じです。
「BLOOD+ Countdown」は静寂なところから徐々に盛り上がってくる曲。ベースが単調なリズムで、そこに徐々に楽器が加わって盛り上がってくるってところはラヴェルの「ボレロ」に似たイメージがあります。
「Saya’s Daily Life」はハープ、フルート、鉄琴などによって奏でられる穏やかな曲。戦士の休息というか、戦いが始まる前の安らぎの光景というか、そういう普通の日常をイメージさせる曲です。
「Vampire Battle」は激しい戦闘音楽。スリリングなドラムと低音のブラスがリードするところにストリングスによる翼手のモチーフが絡んできます。
中盤はゆっくりとしたペースでシンセボイスっぽいコーラスが絡んでくる感じ。後半は再び激しく、低音のチューバによって翼手のモチーフが奏でられると共にストリングスによる別の運命的なモチーフが絡まってきている感じです。
「Chasing Thru Time」はブラスが高らかに鳴り響くスリリングなアクション音楽。やがてシリアスに重い感じの曲調からパーカッションがアップテンポに盛り上げていく感じですが、赤い盾というか、小夜の心強い仲間たちというイメージの曲ですね。
「Saya’s Destiny」の前半はドラムスとサスペンス風のストリングスによって奏でられる小夜の運命的な音楽。自分の運命に翻弄される小夜とか、運命を知った後の小夜の決意とか、そんなイメージのある曲です。
後半は一転してフルート主体のゆっくりとした穏やかな曲になっているのが印象的。
「Saya’s Courage」はゆったりと悲しげなオーボエとストリングスによる曲。運命的なイメージを感じさせる鐘が絡んできて、後半は寂しげなイメージです。運命を受け入れた小夜の決意のようなものを表してるイメージです。
「The Vampires’Threat」は毒々しいブラスによって奏でられる、ゆったりとおどろおどろしい翼手のモチーフ。翼手の恐怖を感じさせるテーマとして馴染みの深い曲です。
「BLOOD+ The Final Battle」は小夜とディーヴァの対決をイメージした曲。序盤は小夜のモチーフにスリリングなパーカッションが絡み、小夜の決意を奏でてる感じ。中盤になってオーケストラが盛り上がり、ストリングスがスリリングな雰囲気を出し、やがてディーヴァのモチーフが奏でられます。
終盤はややバラードがかったイメージの小夜のモチーフが高らかにオーケストラで奏でられます。
「Saya’s Love」はピアノとストリングスによるロマンス風の曲。少し寂しくもの悲しい、そんな印象のある曲です。タイトルは「小夜の恋」だかそういう感じですが、物語的にそういう話は無いので、もっぱら他のシーンで使われてることが多い曲ですね。
後半になって明るく希望が見えてくるようなフレーズが出てきて、安らかに終わっていく感じが印象的です。
「BLOOD+ Grand Theme」は小夜のモチーフの展開曲。静寂なストリングスから始まり、徐々に盛り上がりながらマーチ風の力強い小夜のテーマが奏でられます。
中盤、起伏のある展開が続いた後、マーチ風に締めくくられた後、後半部は再び静寂なところから始まって、ゆっくりとしたバラード風の小夜のモチーフが奏でられます。
「Diva」はディーヴァのテーマ曲。クラリネットやバイオリンで奏でられるゆったりとしたディーヴァのモチーフに続いて、メゾソプラノのソロコーラスが入り、さらにオーケストラが絡んできてオペラ的な展開が繰り広げられ、やがてオーケストラ全体がメゾフォルテでディーヴァのモチーフを高らかに奏でます。
後半はドラマ的な展開の曲が続いた後、最後はオーケストラヒットで締めくくり。
もうサントラの1曲というより、これだけ引っ張り出して独立した管弦楽曲として通用しそうなくらいのまとまりと展開のある曲です。
☆ ☆ ☆
1曲目から小夜のメインテーマが高らかに鳴り響き、最後はディーヴァのテーマで締めくくられるという贅沢な構成がTVアニメのサントラとしては場違いなほどに充実感を与えてくれます。
あまり派手にブラスが鳴り響いてるのは本編の劇伴を聴きなれた耳からは少し違和感を覚えることも確かですが、たんにミキシングの違いにしか過ぎないので、それほど気にすることは無いのかも知れません。でも、並べて聞けばけっこう違いがありそうな気がしますが……「Saya’s Victory」と「Diva」だけでもいいから次のサントラにはTV用の編集版も入れてほしいかと思いますが。
邪魔なSONY系アーチストによる主題歌が1曲も入ってないので純粋にサントラを楽しめることもポイントが高いですね。ちゃんと作品に見合った主題歌ならサントラに無いと寂しいものですけど、たんにプロモーションとして主題歌に使われてるだけのような曲は邪魔なだけですからね。
(アニプレックス SVWC-7345 2006.04.26)
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