野川さくら Cherries
野川さくらといえば、ちょうど自宅にCATVが入った頃にキッズステーション製作のアニメ作品にやたら出てた人というイメージが強いですね。そして、それらの作品の主題歌を歌ってたから、最初から歌とは切り離せない印象の人でした。
やがて影山ヒロノブのプロデュースでオリジナルの歌も歌い始め、キッズステーション以外のアニメ作品でも多く見掛けるようになって、今ではそれなりのポジションを維持している一線級の声優さんになってきた感じです。
すでに何枚もオリジナルアルバムを出していて毎年ライブツアーを開いている野川さくらですが、今回のアルバムは初期の頃から『φなる・あぷろーち』までのアニメの主題歌やキャラクターソングを集めたものです。
01. SAKURA…舞い散る空へ
(「SAKURA~雪月華~」IM)
02. thunder of PP
(「アーケードゲーマーふぶき」OP)
03. 心配かけてゴメンね?
(「D.C.~ダ・カーポ」朝倉音夢CS)
04. 今日、笑顔があれば
(「ゲートキーパーズ21」ED)
05. One Drop
(「おとぎストーリー 天使のしっぽ」ED)
06. ラブロケ☆パイロット
(「舞-HiME」宗像詩帆CS)
07. アクビ娘
(「よばれてとびでて!アクビちゃん」ED)
08. Lip to Love
(「D.C.~ダ・カーポ~」朝倉音夢CS)
09. 100%SmileJuice
(「φなる・あぷろーち」益田西守歌CS)
10. 竹箒にまたがって
(「SAMURAI GIRL リアルバウトハイスクール」鬼塚美雪CS)
11. 風のMon-Ami
(「あずまんが大王」かおりんCS)
12. 薫のミラクル・スパイラル・ラブ!
(「ぴたテン」御手洗薫CS)
13. ぽっぴん☆らっぴん
(「ななか6/17」霰玉久里子IS)
14. 恋のときめきチャンス!
(「アーケードゲーマーふぶき」IS)
15. 君色パレット~acoustic version~
(「φなる・あぷろーち」OP)
「SAKURA…舞い散る空へ」はゲームソフト『SAKURA~雪月華~』のイメージソング。ゲームの名前自体は当時CMでよく流れていたので記憶にありますが、作品そのものは知りません。
印象としては舞い散る桜に思いを託してるって感じの定番的な作りの曲かな。花と共に散る恋と、春に始まる恋。いったいどっちなんでしょうか。
「thunder of PP」はOVA『アーケードゲーマーふぶき』のOPテーマ。「PP」というのはパッションパンツの略ですが、作品を知らないと何のことやらわかりませんね。この曲を最初に聴いたのは発売の前年のエモーションフェスティバルで製作発表がされた時の生ライブ。こんなに早くから主題歌を作ってるのかと感心した覚えがあります。
当時の野川さくらの他の曲と比べたら、これだけ激しいアクション系の曲は初めて聴いた感じで新鮮だったかな。
「心配かけてゴメンね?」は『D.C.~ダ・カーポ~』の朝倉音夢のキャラクターソング。当時、CMで流れていたのか、数ある音夢の曲の中でそれなりに聞き覚えがあるのはこの曲だけです。
妹キャラという点をストレートに押し出した甘ったるい曲。後になったら音夢の曲も普通の恋人キャラって感じになって「妹」成分がどんどん希薄になってる感じがするから、これはけっこう貴重ですね。
「今日、笑顔があれば」は『ゲートキーパーズ21』のEDテーマ。作品の方は割りと最近、CATVでやってたのをパラパラと見ただけですが、それでもこの曲の印象は非常に大きいという主題歌の鑑のような曲です。一度聴いたら忘れられない畳み掛けるようなメロディーにパワーのあるボーカル。これが野川さくらの歌だとは気付きませんでした。
作品の中身は忘れてもテーマ曲は忘れないような、とにかくパワフルな名曲です。
「One Drop」は『おとぎストーリー 天使のしっぽ』のEDテーマ。いわゆるキッズステーション作品の1つです。野川さくらはインコのツバサ役で出演していますが、それまでおとなしいキャラのイメージだった印象を変えるキャラクターでしたね。
淡々としたバラード系の曲ですが、この作品の守護天使たちが元々は死んだペットだったということを考えたらどことなくしんみりとしたレクイエムに聞こえてきたりしてしまいます。
「ラブロケ☆パイロット」は『舞-HiME』の宗像詩帆のキャラクターソング。詩帆というキャラクターは後半、舞衣への嫉妬からどんどんダークな方向に性格が変わっていくのですが、これはそれ以前の詩帆のイメージですか。間違っても『舞-乙HiME』のシホのキャラソンではありません。
ロケット絡みの歌詞があるから何か別の宇宙物の作品の曲かなと思ってしまうくらい、あまり詩帆には結び付かないですね。確かにシリーズ前半のきゃぴきゃぴとしてぶりっ子の甘えキャラだった詩帆なら、芝居としてこんなことを言い出しても不思議ではないと思いますが、キャラ自身とはどこか違うような気がします。でも、単独の曲としては好きな感じの曲です。
「アクビ娘」は『よばれてとびでて!アクビちゃん』のEDテーマ。これは長らくCD化されてなかった曲で、当時、握手会のイベントで御本人にそのことが残念だと言ったら、即座に目の前で歌ってくれたことがあって心に残っています。
オリジナルが堀江美都子ということもあって昔から割とメジャーなアニメソングですから本人も慣れ親しんでいたのか、こうしてCDで聴くと初期の曲の中では一番無理なくまっすぐ歌えてるような気がします。
「Lip to Love」は、これも朝倉音夢のキャラクターソング。音夢だけ2曲も入っているのは一番の代表的なキャラだということでしょうか。第1シリーズの『D.C.~ダ・カーポ~』ではキャラ別のマキシシングル1枚に、キャラソンのアルバム2枚、さらに音夢は(さくらと頼子も)ミニアルバム1枚出てたから音夢の歌だけでかなりの数になってるはずですが、そこらのCDは買ったけど開封すらしてないのが多いので、残念ながら聴き覚えがありません。
曲のイメージとしては夏の海ってところかな。アップテンポでかっこいい感じの曲で、向かうところ敵無しの最強ヒロインってところですか。
「100%SmileJuice」は『φなる・あぷろーち』の益田西守歌のキャラクターソング。西守歌は非常にユニークなキャラで、腹黒系の美少女かと思ったらその腹黒さはすべて一途さの現われなんですね。
昔の歌謡曲っぽいアレンジが西守歌の少し古風で一途な感じをうまく表してる感じに仕上がっていますが、どっちかというと勝手に自分の世界を作り上げてるような感じが無くも無いですね。
「竹箒にまたがって」は『SAMURAI GIRL リアルバウトハイスクール』の鬼塚美雪のキャラクターソング。これもキッズステーション製作の作品です。この鬼塚美雪というのは神社の巫女さんでしたか。巫女さんが境内を掃いてる竹箒を魔女が空を飛ぶ箒に見立てて、魔法少女チックな思いを綴った歌ですね。初々しさが漂いまくってたまりません。
ひたすら清楚でかわいらしい感じの曲です。
「風のMon-Ami」は『あずまんが大王』のかおりんのキャラクターソング。かおりんって言っても、個性的なキャラクターの多いこの作品の中では目立たないキャラでしたが、歌の方はOPテーマのイメージをそのまま持ってきたような曲で、これといったキャラの主張が無いところがかおりんらしいというところですか。
「薫のミラクル・スパイラル・ラブ!」は『ぴたテン』の御手洗薫のキャラクターソング。『ぴたテン』も美紗や湖太郎や紫亜は覚えてても、その他の脇役はさっぱりって感じで、この薫も曲を聴いてそういうキャラもいたなと思い出した感じです。
歌の方はこういうキャラと割り切ってるからか、無理とか気負いも無くストレートにまっすぐ歌ってるという感じ。この人は割とバラード系の曲が多いんだけど、どことなく意識して気負いがちに歌ってるような印象があるんですが、この曲はイケイケって雰囲気でそんな感じがまったく感じられなく、ある意味聴きものです。
「ぽっぴん☆らっぴん」は『ななか6/17』の霰玉久里子のキャラクターソングということですが、全然知りません。作品自体知らないからキャラクターソングといわれても馴染みも何もありませんね。
曲の方はキャラソンらしいコミカルな感じで、少しばかり騒がしいというところ。
「恋のときめきチャンス!」は『アーケードゲーマーふぶき』の挿入歌。いや、本編はほとんど見た記憶が無いので、どこで使われたとか使われてなかったとかはわかりません。
アップテンポでカッコいいフレーズのサビで始まったかと思ったら、曲の本体はコミカルなキャラソンで、この辺のアンバランスさが微妙な魅力ですね。
「君色パレット~acoustic version~」は『φなる・あぷろーち』のOPテーマのアコースティックバージョン。オリジナルはポップで可憐な曲で、野川さくらの代表曲と言っても良い仕上がりの曲です。この acoustic version はそれをスローテンポにアレンジしなおした曲ですが、原曲自身ストリングスが印象的に使われてるのにその部分をそのまま残してアコースティックバージョンと言われても、ちょっと中途半端な仕上がりに感じてしまいます。
好みで言えば、もっとアカペラっぽく作って欲しかったですね。
☆ ☆ ☆
ごく初期の作品から比較的最近の作品まで、アニメ関係の野川さくらの曲を集めていて、声優・野川さくらの成長の足取りをたどるのに興味深い1枚だといえるでしょう。
ただ、権利の関係上、他社音源が収録されにくいのは仕方の無いことでしょうが、『リアルバウトハイスクール』では同じポニーキャニオンから出ていた「竹箒にまたがって」が入ってるのに作品のEDテーマである「負けないで...片想い」が入ってなかったりするのは寂しいですね。
おそらくメジャーなメディアで流れた野川さくらの最初の曲だと思いますから、出来ることなら無理をしてでも収録して欲しかったと思います。
(発売元:ランティス LACA-5415 2005.08.03)
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