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2006.05.17

灼眼のシャナ オリジナルサウンドトラック

 ここのメインはアニメのサントラのはずなんだけど、なぜか少ないからしばらく強化の方向で……

 『灼眼のシャナ』は高橋弥七郎のライトノベルを原作とした深夜アニメ。この世界の安定のために戦い続ける炎髪灼眼の少女・シャナと、ある日、自分が本当はすでに死んでしまっていることを知った少年・坂井悠二との物語です。「紅世の王」とか「フレイムヘイズ」とか「ミステス」とか、独自の世界観や専門用語を散りばめて組み立てられた作品構成が魅力的でした。
 音楽は大谷幸。OVA版『逮捕しちゃうぞ』や『新機動戦記ガンダムW』『灰羽連盟』などのアニメ作品や、平成『ガメラ』三部作シリーズや『GMK大怪獣総攻撃』などの映画音楽で馴染みの深い人ですね。

 このサントラ盤の他にドラマ編の何枚かのCDにも劇伴曲が分けて収録されていますが、手元に無いのでどういう配分なのかはわかりません。単純に考えればサントラ盤の方に主要曲が集められていると思われますが……
 とりあえず収録曲は以下の通り。大半がフランス語みたいな上にブックレットに解説が無いのでほとんど意味不明です。(フランス語は昔、ノストラダムスの四行詩を読むためにちょっと齧った程度なので)

 01.Shana
 02.Confusion
 03.La Pensee Ce Qui Est Faible
 04.Amusement De Personne Idiote
 05.Il Se Reunit Au Demon
 06.Paysage D’e L’accummulation De Jour
 07.Faisceau Sautant
 08.Danse Des Fee
 09.Matin Calme
 10.Debut D’un Jour
 11.Verite
 12.Crochet D’oeil
 13.Deformation
 14.Innocent
 15.L’absolu Decedent
 16.Bataille
 17.Comprehension
 18.Vanite
 19.Destruction
 20.Poursuite
 21.Mysterieux
 22.Serieux
 23.Reveil
 24.「緋色の空」~TVサイズ~
 25.「夜明けの生まれ来る少女」~TVサイズ~

 この作品の音楽はブックレットを見ればミニマム編成のオーケストラも入ってますが、多くの曲にシンセ音源が使われてる思われますので、楽器の名前を出してもシンセ音源の音色である場合もあると思ってください。
 曲名に直訳とあるのは翻訳サイトで仏英翻訳をしたのを適当に日本語に直してみました。(無料の仏日翻訳が見付からなかったので)

 トラック01「Shana」。そのまんまで「シャナ」ですね。序盤はおどろおどろしいサスペンス風に始まり、徐々にテンポアップしてスリリングな曲に。中盤で『ガメラ』を思わせるような力強いフレーズが入って盛り上がり、ラストは一転してゆったりと終わる組曲風の曲です。
 フレイムヘイズとしてのシャナの音楽を集めたという感じで、事件の発端~シャナの登場~戦闘という流れになってる感じです。アルバム的には一番頭に作品イメージを代表する構成として入れたという感じで、序曲的な扱いでもあるように思えます。
 『ガメラ』とか書いたのはまさに『ガメラ』と同じフレーズが入ってるからで、この作品の音楽こんなに重厚だったっけ?とか思ったのですが、ここまで強烈なのはこの曲だけですね。

 トラック04「Amusement De Personne Idiote」。「愚か者の娯楽」とかそういう意味でしょうか? 意訳すれば「紅世の徒たちの暗躍」というところかな。低音系のストリングスによる力強くスリリングな曲で、近付く緊迫感とか敵の出現とかそういう状況を感じさせる曲です。
 トラック07「Faisceau Sautant」。直訳すれば「跳躍する光線」。「自在法の光」とかそういうところかな。スリリングなフレーズに始まり、アップテンポなアクション音楽、そして迫り来るサスペンスを感じさせる曲です。

 トラック10「Debut D’un Jour」。直訳すれば「一日の始まり」。ピアノ風のきれいなメロディーを使った曲で、人工的な音色の多いこの作品には珍しい曲です。恋心とか、せつない日常とか、そんな雰囲気を醸し出しいます。
 トラック12「Crochet D’oeil」。直訳すれば「目を引き付けるもの」ですが、意訳すれば「アイキャッチ」。ずばり中間CM前後のアイキャッチに使われてる曲です。ある意味、主題歌以外では一番馴染みの深い曲ですね。ストリングス系の力強くスリリングな曲で始まり抗争が後奏が少し続きますが、後半部分は使われていません。
 トラック14「Innocent」。直訳すれば「純真無垢」。意訳すれば「悠二のバカ」というところかな。ストリングスのコミカルなフレーズに始まり、ピアノが入りスキップ風のリズム。シャナの日常とか嫉妬してるところとか、いわゆるツンデレ的なシーンをイメージさせる曲です。

 トラック15「L’absolu Decedent」。直訳すれば「絶対的な死者」という感じだけど、意訳すれば「封絶」とかいう感じかな。サスペンス風のスリリングな出だしから始まり、ブラスアンサンブルの非常に緊迫感のある曲に盛り上がっていく作りです。封絶が張られたとか、紅世の徒が自在法を使い始めたとか、そういうイメージの曲ですね。
 トラック16「Bataille」。直訳すれば「戦闘」。アップテンポで激しくスリリングなオーケストラの曲。シャナが現場に急行して紅世の徒と戦うって感じのシーンを思い浮かばせる曲ですね。

 トラック17「Comprehension」。直訳すれば「理解」ですが、意訳すれば「絆」というところでしょうか。木琴だかパープだかの音色によるセンチメンタルで癒し系の雰囲気の曲。危機に陥ったときに力を与えてくれる仲間だとか、共に戦って掴んだ勝利の朝だとか、そんなイメージの曲です。ま、シャナと悠二がお互いの必要性に気付くとか、そんな感じですね。

 トラック19「Destruction」。直訳すれば「破壊」ですが、意訳して「自在法」かな。アップテンポでスリリングな力強いブラス系の曲。紅世の徒の自在法の発動による大混乱とか、戦闘真っ只中とか、そんな強烈で緊迫感のあるイメージの曲です。
 トラック20「Poursuite」。直訳すれば「継続」ですが、意訳すれば「フレイムヘイズ」といったところかな。アップテンポで、この作品では珍しい主人公側の戦闘をイメージしたカッコイイ曲。悠二の協力を得たシャナが反撃に出て行く、そんなイメージの曲ですね。
 トラック22「Serieux」。直訳すれば「シリアス」ですが、意訳すれば「存亡を賭けた戦い」ってところでしょうか。ストリングスとパーカッションによるアップテンポで激しくスリリングな曲。これが最後の決戦だとか、生きるか死ぬかって感じの戦いのクライマックスをイメージさせる曲です。
 トラック23「Reveil」。直訳すれば「夜明け」でいいのかな? 穏やかに始まるストリングスの曲ですが、徐々に力強く盛り上がって行きます。前半だけなら「勝利の夜明け」って感じなのですが、それで終わりことを由としていない作りで、むしろこれからも戦い続けるという宿命観のようなものを感じさせます。

 トラック24「緋色の空」、トラック25「夜明けの生まれ来る少女」はともに第1クールのOP曲とED曲のTVサイズです。


 大谷幸の音楽はどちらかというとキャラクター毎のモチーフを明確に用意したり、パターン音楽を多用したりという作風ではなく、どちらかというと状況説明的な背景音楽という印象が強いので、「○○のテーマ」というようなズバリの曲というのが無く、サントラから1曲取り出して聴いてもあまり楽しめないのは確かです。物語を用意して、その状況進行に応じた音楽を組み合わせて楽しむという、サントラ本来の楽しみ方が望まれるところです。
 このサントラ盤自体はトラック01「Shana」と、24、25の主題歌を別とすれば、《事件の発端》~《主人公たちの日常》~《事態の進行》~《戦い》と、全体的には1つの流れにまとめられているので、通しで聴くのに無理はありません。ただ、全般的に同じようなサスペンス系のスリリングな曲が多かったりして、「サントラとはこういうもの」と割り切っていないと、苦痛に感じるものがあるのも確かです。(ブックレットのコメントによればヨーロッパのダークファンタジー系の音楽を意識したとのことですが)
 一般にTVアニメでは1本あたりの劇伴は多くても10曲前後しか使われていないので、この範囲で曲をセレクトして組み立てなおして聴くとかいうのも楽しみ方の1つです。ただ、この作品は連続物なので1本毎に起承転結があるわけでも音楽の使用パターンがあるわけでもないから、そういう方法も難しいのは確かですね。
 でも、ちゃんと通しで聴ける配慮をして構成されているだけ、まだありがたい範疇だといえます。

 いずれにしても、あまり作品そのものに馴染みの無い人が聴いても楽しめなさそうなのは本当のところだと思いますが。でも、繰り返し作品を見て愛着を感じたなら、それなりに楽しめるアルバムだとは思います。
 もっとも、昨今は1つのアニメ作品を穴があくまで見返すことなんてなくなってしまいましたから、このサントラだって具体的にどう使われていたのかって記憶はほとんど無いのも事実ですから。
 先にサントラを頭に入れてから作品本編を見るって手もありますけど、それじゃ本末転倒ですね。

 ところで、トラック06の「Paysage D’e L’accummulation De Jour」(直訳すれば「日々の蓄積の風景」)って、これだけ唐突に昔のPSGのゲーム音楽風の音色の曲なんですが、これってタイトルの「Paysage」に「PSG」が含まれてることに引っ掛けてるんでしょうかねぇ。

(発売元:ジェネオン GNCA-1059 2006.01.25)

灼眼のシャナ original soundtrack
灼眼のシャナ original soundtrack

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