アコースティック ヤマト
『宇宙戦艦ヤマト』生誕30周年を記念して新録されたアルバムです。作曲者・宮川泰の子息、宮川彬良のアレンジによりピアノ(宮川彬良)とサックス(平原まこと)を中心にしたちょっぴりアダルトなムードで仕上げられています。
もともと宮川泰によるヤマトの音楽はシンフォニックにアレンジされているとはいえ、メロディー主体の音楽であり、しばしばサントラ盤にもギターやバイオリンのソロバージョンが入れられてたり、かつてはイージーリスニング・シリーズと題した3枚のアルバムまでありましたから、特別な企画という感じでもないのですが、やはり現在という時点で作曲者の息子による解釈が入ったアルバムというところは興味深いでしょう。
収録曲は以下の通り。
1.イスカンダル〜深海バージョン〜
2.宇宙戦艦ヤマト〜砂漠の川バージョン〜
3.序曲から 無限に広がる大宇宙
4.真赤なスカーフ〜ボサノババージョン〜
5.サーシャ
6.白色彗星〜ジャズバージョン〜
7.大いなる愛
8.スターシャ
深海バージョンとか砂漠の川バージョンとかいうのが正直言ってどう解釈したら良いのかわからないところですが、とりたてて奇をてらったようなアレンジは無く、時には切なく、時にはしっとりとして、あるいは躍動的なサウンドが演奏者から直接伝わってくるような感じです。
選曲は『交響組曲宇宙戦艦ヤマト』と『さらば宇宙戦艦ヤマト 映画音楽集』からのオーソドックスな選曲になっていますが、何かあるとこの2枚からの選曲というのがパターンになっているので、たまには後期のシリーズからの音楽も用いてほしいという気持ちはありますね。
それと、「真赤なスカーフ」って、『交響組曲』にしろ『不滅の宇宙戦艦ヤマト』のディスコアレンジにしろ、何かと曲調を変えたアレンジばかりされてるって感じで、今回のボサノババージョンもその流れの一環という感じですが……いい加減ストレートにアレンジした曲にしてもらえないのかな、とかも思ってしまいます。
ま、ヤマトの音楽を知らない人にいきなし聴けとか言っても仕方がありませんが、昔からのヤマトの音楽のファンなら、とりあえずは聴いてみてほしい一枚ではあります。大人になったかつてのヤマトファンが、グラスを傾けながらしみじみと在りし日を思い出す、そんなシーンが想定されてるアルバムのような気がします。
でも、ま、どうせ新曲作るなら、大島ミチル、服部隆之、千住明、和田薫、佐橋俊彦、天野正道、大谷幸、等々、最近の劇伴作曲者として活躍してる人たちに独自の解釈でアレンジしてもらったオーケストラ曲をアンソロジー的に収録したアルバムとか聴けたらなぁ、とか贅沢なことを考えてしまいます。
このアルバムは赤坂のコロムビアの第1スタジオでの最後のレコーディングだったとのことですが、コロムビアの1スタというと『交響組曲 新・宇宙戦艦ヤマト』の時の名匠宮川組によるシークレットライブを聴きに行った時のことを思い出します。
昔はヤマトのオーケストラ曲もあのスタジオの中で録音されてたって聞いて、ちょっと信じられなかったりしたのですが、よく考えればライブの時に客席になってたスペースも本来客席でも何でもないのだから、そこにも演奏家の人たちが入ってるわけですね。
その1スタもこれでお終いということで、一時代が遠くに過ぎ去ってしまったみたいで寂しいものがあります。
(発売元:コロムビア COCX-33144 2005.03.23)
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