大島ミチル|映画音楽ベスト
大島ミチルといえば『ミラクル☆ガールズ』とか『アークザラッド』、『ファンシーララ』、『鋼の錬金術師』等、華麗なメロディーから荘厳なオーケストラ曲まで幅広い音楽を聞かせてくれるサントラ界の鬼才ですが、このアルバムはアニメの曲は一切収録されず、実写の映画音楽から作曲者自身が選んだ代表曲を再録音して収録したものです。
それでも『ゴジラ×メカゴジラ』が入ってるのが一番なじみの深いところなんですが、このアルバムで一番の聴きモノはそれじゃなくて、冒頭に収録されている『プライド 運命の瞬間』なんですね。
これ、映画を見たとき、なんか物凄く荘厳で良い曲だなぁと思ってサントラ盤が出るのを楽しみにしていたんですが、赤い電波を出してる人たちが映画に対して騒ぎ上げたせいか、結局、サントラ盤を見掛けることはありませんでした。それがこうしてCDで聴けるようになったのだから、手にしないわけにはいきません。
実際のサントラと違ってアレンジし直されてる部分があるかもしれませんが、まさに大島ミチルの代表曲とも言うべき壮麗なサウンドを聴かせてくれます。後半部分の構成やアレンジにどこか聴き覚えがあるかと思ったら『ゴジラ×メカゴジラ』の機龍のテーマと作りが同じ感じですが、このアルバムに収録されてる『ゴジラ×メカゴジラ』の曲はゴジラのテーマなので、イメージが被ることも無く楽しめます。
もちろん、他の収録曲も音楽としてすばらしいのですが、映画作品そのものに馴染みが無いのでコメントは控えます。
このアルバムは何曲か再録音して録り溜めてあったうちから10曲選んで収録したとのことですが、続きを出していってほしいですね。で、出来ることならアニメ音楽でも同じ企画のベストアルバムを出してほしいです。
(『セントエルモ 光の来訪者』なんか『松本零士音楽大全』にも収録されてなかったものだし……)
(発売元:コロムビア COCQ-83877 2005.01.19)
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コメント
初めまして。通りがかったのでコメント書かせていただきます。
大島ミチル「映画音楽ベスト」は、レンタルに出ているのを発見して聴いてみたのですが、元の映画を見ていなくても十分聞き応えのある内容だったと思います。
特に「プライド 運命の瞬間」は良い曲ですね。オーケストラの演奏も非常に良いですし。
スタジオ録音の劇判も良いですが、やはりホールでの演奏こそオーケストラの真髄!と思います。
ましてや、こういう形でしか「新曲」の出てこない、オーケストラという分野。
このようなアルバムが、もっともっと出てくれると嬉しいですね。(すぎやまこういちさんの交響組曲「ドラゴンクエスト」もそうですね)
投稿: aqua | 2006.02.26 17:01
auraさん、コメントありがとうございます。
「プライド 運命の瞬間」が1曲目に入ってることは、この曲に対する大島ミチルさんの愛着とか執念のようなものを感じます。
純音楽の世界には現代音楽と呼ばれるジャンルがあって、芸術的なオーケストラ曲も作り続けられていますが、独創的な表現を追及する作品が多くて、素人の耳にオーケストラの魅力を素直に引き出してると感じさせてくれることは少ないようです。
その点、映画音楽とかアニメの音楽は音楽そのものに芸術的独創性を求められているわけではないので、オーケストラらしい曲がそのまま作られることが多いようですね。
投稿: 結城あすか | 2006.02.27 05:48