伊福部昭の芸術7 幻−わんぱく王子の大蛇退治
伊福部昭の作品を新規のスタジオ録音でリリースしているシリーズの最新盤ですか、1〜4が1995年、5が1997年の発売から今度の6,7まで、ずいぶん間が空いてしまっています。もう新譜は無いのかとすっかり諦めていた所ですが、こうして忘れた頃に出してくれるのが憎らしいですね。
とりあえず7枚目の方ですが、収録されているのは次の2作品です。
・『交響ファンタジー「ゴジラVSキングギドラ」』(1991)
・『交響組曲「わんぱく王子の大蛇退治」』(1963/2003)
前者は1991年の喜寿記念コンサートで演じられた楽曲で、同年の映画『ゴジラVSキングギドラ』の音楽をモチーフに構成された作品です。久し振りに伊福部昭の手掛けたゴジラ映画の音楽ということで、懐かしさと新鮮さを感じられた当時は、とても感慨深かったことを思い出します。
今回はクリアなスタジオ録音で、将来に残すための音源が出来たということが最大の意義なんでしょう。
この曲、映画の重要なモチーフは網羅していて文句は無いのですが、何かサービスで付けたのか、マーチ曲が1曲含まれているのですが、『怪獣大戦争』のマーチそのままじゃなく『ロンド・イン・ブーレスク』風のアレンジになってしまってるのが、当時の伊福部先生の拘りなのかどうか、気になっているところですね。
一方後者は、東映の長編アニメ『わんぱく王子の大蛇退治』のモチーフを元に再構成された作品で、このCDが初収録だと思います。
伊福部昭の手掛けたアニメ作品はこれ1作だけだったと思いますが、怪獣映画と並んで人気のある音楽でもあり、鑑賞用音楽としての再構成が待ち望まれてた作品です。
一般にはメインテーマの曲が伊福部マーチの代表的なモチーフの1つでもあるので有名なところですが、この作品で1曲忘れられない曲といえば「アメノウズメの舞」でしょう。伊福部版『サロメ』の「7つのヴェールの踊り」を雅楽的なイメージで再構成したかのような、変化に富んだ曲構成が魅力的です。
伊福部昭の映画音楽を再構成した作品としては『SF交響ファンタジー』が何度も再演されて人気があるのですが、このCDに収録された2作品も、繰り返し再演され続けられるような作品になって欲しいですね。
(発売:キングレコード KICC-440 2003.11.27)
| 固定リンク




コメント